【社員インタビュー】オムニバス自社プロダクト「Pay it Forward Project」事業責任者・取締役 中村雄一さん

中村雄一さん
株式会社オムニバス 取締役
Pay it Forward Project 事業責任者

2018年 オムニバス中途入社
2022年 オムニバス取締役に就任
2023年 Pay it Forward Projectローンチ

Q1 まず今年の3月にオムニバスがローンチしたサービス「Pay it Forward Project(ペイフォワードプロジェクト)」について教えてください。

「Pay it Forward Project(ペイフォワードプロジェクト)」(以下PFP)は、オムニバスが提供する寄付プラットフォームで、国内のZ世代やミレニアル世代を主な対象としています。サービス名称のペイフォワードは、自分が受けた善意をほかの誰かに渡すという意味で、誰かに対する感謝の気持ちを直接その人に返すのではなく、ほかの人への手助けつまりは寄付で返していくという意味があります。

Q2 オムニバスはこれまでBtoB領域でデジタル広告を中心にサービスを提供してきましたが、そんなオムニバスがBtoC領域で新規事業を行う意義や目的を教えてください。

新規事業を立ち上げる理由は大きく2つあると思っています。

まずは未来の収益源の創出。弊社では、インターネット広告事業以外にも広くデジタルマーケティング支援を行っていますが、競争も激しくなっているため、新たな事業シードにも着手する必要があると考えています。

企業理念に「進化の連続で想いをつなぐ」とあるように、日々新しいことに挑戦し続けたいと思っています。

もう1つは、オムニバスで働く社員のキャリアや今後の選択肢を広げるという意味合いです。今でこそPFPは小規模な体制でやっていますが、今後このような事業やプロジェクトが拡大すれば、自ずと選択肢が増えることにも繋がると考えています。オムニバスで長く働く機会を増やしていければと思います。

Q3 新規事業はなぜ「寄付」にまつわるものだったのでしょうか。

これも理由が2つあって、まず弊社がクレディセゾンの子会社であることから、金融という領域で何かを開発したいという想いがありました。クレディセゾングループの一員として、オムニバスも金融の領域で貢献することで、グループ会社としての価値を発揮できるという考えです。

もう一つの理由は個人的な想いによるものです。私自身が学生時代にNPO側で寄付を集める経験をしていました。事業責任者である自分が想いを込められるものが「寄付」であったということです。

Q4 中村さん個人の発案背景やPFP発足に関係するような寄付に関するエピソードがあれば教えてください。

PFPの発案に直接的に関わることですと、大学生の時に参加した国際協力プログラムの一環で、半年間アメリカで街頭募金の活動をしたことが当てはまります。街ゆく人々に募金に協力してもらえるよう声をかけている中で、日本とアメリカの募金文化の違いを強く感じました。

日本だと誰かが募金活動をしていても、ほとんどの人は遠巻きに眺めたり中には怪しむような視線を向けるような人もいるかと思います。一方アメリカでは、仮に募金する手持ちがなかったとしても応援していると声をかけてくれたり、その時持っている物でプレゼントをくれたり、「そこで買い物してお札を崩してくるよ」とわざわざ募金のために気にかけてくれる人が多くいたのです。それくらいアメリカで募金は当たり前のもので、その時「いつか日本でもこれくらい募金が身近になればいいな」と思いました。

Q5 ではその学生時代と現在オムニバスでPFPはどこで繋がっていくのでしょうか。

先程の話にも重複しますが、まず高校生で貧困や教育問題に興味を持って、そして大学生の時に、アメリカで半年、アフリカのザンビアで半年の計1年国際協力プログラムのボランティア活動をしました。そこで寄付の意識を持ったというわけです。

でも、それを生きていく上で仕事にできるのかというのが学生のときにはわからなくて。色々な業界に関わることができる仕事として、新卒では広告の仕事に就きました。広告は広告でとても楽しくて、マーケティングや課題解決の頭の使い方は身に付けることができました。そして30歳、年齢の節目において、自分の将来と社会課題についてもう一度考え始めたんです。当時は「ソーシャルビジネス(ビジネスの形で社会課題を解決する)」という言葉も知られつつあり、実例もできはじめたタイミングだったので、学生時代から考えていた課題を仕事として活かせるのではないかと思いました。

その時にもう1度アフリカに縁があり、エチオピアの青年海外協力隊で参加することになり、やはり社会問題に向き合うことはやりがいのあることだと再認識しました。

当時アフリカで社会起業できないかと思ったのですが、知識やスキルや人脈が必要と思って今度は南アフリカ共和国でMBAを取りました。でも修了時にまだ具体的な事業プランが見つけられずという状況でした。ただどこかのタイミングで社会に役立つ事業がしたいという気持ちは持ち続けていました。

日本に戻り、これから自由度高く成長していく企業に加わりたいと思い、オムニバスに入社しました。

入社前の面談の際、当時の代表に対して、ソーシャルビジネスについての具体的な話こそしなかったものの「広告だけをやりたいわけではなく、それ以外の領域でもチャレンジする自由は認められますか」という質問はしていて、合意は得られたので入社を決めました。

Q6 サービス準備期間を振り返って印象的だったことはありますか。

どこからが準備期間と定義するかによりますが、期間は2年弱くらいですかね。

総じて人に恵まれたということが準備期間では印象的でした。

システムなどの開発やクリエイター、UX/UIデザイナー、社内のPJメンバーや法務の関係者などなど、総じてPFPに共感してくれて良い関係を築き、良いアウトプットが出せたことが準備期間において印象に残っていることです。

PFPメンバーと中村雄一さん

Q7 最後に今後の目標・展望を教えてください。

今PFPは、サービスとしては「存在」はしている状態ですが、まだまだ生活者とは出会えていないです。でも潜在的には共感し良いと思ってくれる方がたくさんいると信じています。

販促費に限りはありますが、知ってもらうための活動をこれからも頑張っていきます。

その他にも、今は個人寄付者向けのBtoCサービスとして運営していますが、法人にも使っていただけるようなサービスへの可能性も考えています。

PFPを通じて世の中の寄付をコーディネートしていける存在になっていきたいです。

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