【特別インタビュー】株式会社ヴァリューズ 執行役員 子安様「女性のキャリア形成」

2021年6月の育児・介護休業法改正、SDGs17の目標の1項目に女性に関する目標が採択されるなど、世界や国が積極的に働きかけをする中、企業も女性の雇用や働きやすい環境作りに積極的に取り組んでいます。独自の特別休暇の制定や、産休育休制度の充実、また復帰後にも活躍できる環境の整備など、様々です。

このように注目の高まる中、今回は株式会社ヴァリューズ 執行役員の子安様をお招きし「女性のキャリア形成」をテーマに弊社営業マネージャー中村からインタビューをさせていただきました。子安様のこれまでのキャリアや、テーマである女性のキャリア形成についてのお考えを伺いました。

「この人と働きたい」という想いからヴァリューズにジョイン

オムニバス 中村麻美(以下中村)
先日ヴァリューズさんが人事制度を改訂するにあたって「ママで営業職をどうこなしていくか」のご相談をいただき、ヴァリューズさんの社内会議に参加する機会がありました。これまでを考える中で、自分自身の振り返りにもなりましたし、この時代になってもまだ若い女性たちは悩むのだなと、改めて出産前後の不安は変わらないのだなと認識しました。私自身もオムニバスの女性たちからキャリアプランについて相談されることがよくあるので、是非ビジネスの第一線で活躍されている子安さんの仕事への情熱やお考えを伺っていきたいと思います!どうぞよろしくお願いします。

ヴァリューズ 子安亜紀子様(以下子安)
よろしくお願いします。

中村
まずはこれまでのキャリアについてお伺いしたいのですが、子安さんのこれまでの経歴や入社後の業務内容など教えてください。

子安
前職はマクロミルでして、「この人と働きたい」と感じた当時の上司が立ち上げた会社がヴァリューズです。私は創業メンバーとして35歳頃に参画しました。

ヴァリューズは、2009年に創立した、独自のビッグデータを活用したマーケティング分析・コンサルティングの会社でして、その中で私自身は、主力商品である分析サービス「Dockpit」等の商品企画部門、データ分析部門、海外市場分析事業などを担当しています。

前職なども含め、様々経験した中で、このまま落ち着いてしまうのも…と考えてよりチャレンジングな環境に身を置きたいと思い今に至ります。

計画だけにこだわらないしなやかさが必要

中村
本題でもある「女性のキャリア形成」についてお話を伺いたいと思います。

私個人としては、これまで航空会社のグランドスタッフ、次にデザイン会社の営業を経て、現職オムニバスでWEB広告代理業の営業マネージャーですが、前職時代などその当時はキャリア形成以前に「自分の存在を周囲に認めさせることに必死」でした。まだ時代的にも女性だから~、若いから~という、差別とまでいかなくても、役割分担の強い時代だったので、上司の仕事を奪って少しでも能力を上げたい!という気持ちで目の前の仕事に全力で働いていましたね。

子安
中村さんは営業職なので、同じく弊社の営業職の社員の話をすると、30代を迎えることに漠然とした不安を持っている社員が多くいるという印象があります。もちろん産休育休や時短勤務など制度は整っていても「クライアント対応は今日やらないと」「なるべく早く対応したい」と思ってしまったり、より良い仕事をしようとすると、“人に追われている”ということが、ある種プレッシャーになってしまっているのかなと思います。会社として可能な限り制度面は整備もしますが、整備しすぎてママたちだけが楽な仕事になってしまうのも違うと思いますし、難しいです。

中村
たしかに。制度面だけでは解決できない問題は山積みですよね。

女性に限ったことではないにしろ、女性の方が、特に若いうちは「〇歳に結婚して〇歳に子供を生んで…」とか自分の計画を気にする傾向がありますけど、計画通りにいかなかったり、途中で計画外のことが起こったり。そういう焦る気持ちがあると、30代など節目のタイミングで不安に思うこともあるのかなと思います。実際、私自身も当時はそうでしたし。

子安
私は「30歳までに独り立ちできる能力を身に付けたい」という目標がありました。そのために色々なことを経験したくて、SE枠で入社した後、サービス企画、営業、営業企画、経営企画、会員管理など色々な分野の仕事をしました。きちんと「やりたい」という自分の意思を会社に伝えてきたことで、実現できたのかなと思います。

中村
キャリア形成の理想と現実問題というところでは、ヴァリューズさんや弊社の若手社員や女性の後輩社員に向けて、子安さんの経験から今悩んでいる方にどんなことが伝えられそうですか。

子安
1番は、計画に固執してもうまくいかないので、それだけにこだわらないしなやかさが必要かなと思っています。

中村
その通りだと思います!「~~しなければならない」「~~せねば!」と思いすぎないことがすごく大切だと思います。あと、人生の計画と現実で生じる数年の誤差をなんとも思わないでほしい!

子安
たしかに。やっぱりそれまでの人生では〇年に受験して〇年に卒業、就職…と、ある程度年齢とやっていくことが決まっていたと思うんです。受験、就活は自分で計画して、その通りにできる部分も大きいと思うのですが、家族とかキャリアとかって自分の意思だけでどうにもならない部分も大きいので、それは分けて考えるのが良いですね。

もちろん、キャリアプランを持つことはすごく良いことだけど、やっていく中で自分自身の考えも変わることもあるし、周りの人やモノの影響を受けることもある。それをやわらかく受け止められるかが、大事かなと思います。

色々と経験していく中で、自分ってこんなこと得意だったんだとか好きだったんだとか、

自分の知らない自分を知る感覚もあったので、そのあたりも楽しめるといいですね。

中村
ちなみに、柔軟さが重要だと気づけたきっかけってあったのでしょうか。

子安
あるかな…、明確な何かというものはないかもしれないのですが、私の場合、30代は悩みの10年で、吹っ切れたのは40代になってからでしたね。諦めもあるのかなと思います。

キャリア形成も人生設計も、だんだん少しずつ遅れがでたり、叶わないことが出てきたり、でももっと優先しないといけないことがたくさんあるから、自分の人生計画を一旦置いておいて、今目の前にある、守らないといけないものたちに必死になるというのはあったかもしれないです。

よく聞く話ですけど、子供も大きくなって少し落ち着いた時に、ふと立ち止まって自分の人生に気づいて40代で転職とか、やりたいことを始めるとかそういうことですかね。

中村
なるほど、確かに周りでもそんな方いますね。
あと、数年の誤差はなんとでもなるという話の根拠でいうと、仕事に関しては、ある程度色々やってきているので、やったらできるという自信が多少なりついてきたというのはありそうですよね!

子安
そうですね、自信がないから計画や目標を先んじて立てがちですけど、今になるとある程度はやってみたらできるという自信があるから、事細かに計画を立てなくなったというのはありそうです。でもそれも当時はわからなくて今になってだんだん気づいてきたことです。

マーケティングリサーチで良いものが売れていく社会を

中村
最後に未来のお話を伺っていければと思います。
私自信はメンバーに生きる力を身に付けてもらいたいと思い日々仕事に向き合っています。オムニバスのメンバーが、オムニバス以外の場所でも自信を持って働いていける力を付けてもらいたい、その為に私ができることを一生懸命やっていっているという感じです。

単刀直入に、子安さんはどのような今後の目標やビジョンをお持ちですか。

子安
仕事では海外事業を成功させたいと思っています。
やはり、仕事をする意味を考えた時に、後にこれはやって良かったと思えるような実績を作っていきたいと思っています。マーケティングリサーチの分野で仕事をしている以上は、良いものが売れていく社会を実現したいと思っていて。せっかく調査の仕事をしているのなら日本のメーカーのものが海外で売れていくという社会の実現に携わりたいです。

日本国内、地方でも素晴らしい技術はあるけれど“売る”技術がないために、事業をたたんでしまうような企業は数多くあります。そんな企業の商品を海外の市場で良いものを適切な価格で売ることができる、データがあるからできる!という仕組みを作っていきたいです。


子安さん本日は、ありがとうございました。

また数年後、是非対談してお互いの進捗をお話できればと思います!

前の記事へ 次の記事へ